タクシーの運賃はかつて、同一地域同一運賃制度に従い、原則として同じ地域では会社を問わず同じ運賃でしたが、1993年(平成5年)にこの制度が廃止されています。現在では、地域ごとに定められた金額を上限とする一定の範囲内であれば、各社の裁量により運賃を自由に決めることができます。たとえば、2007年(平成19年)12月現在、東京都区部における一般的な普通車初乗り運賃は710円ですが、500円とする会社も見られます。また、1997年(平成9年)には初乗距離短縮運賃制という制度が一部の会社で導入されました。これは、初乗り運賃を安くする代わりに初乗り運賃が適用される距離を短くするというもので、一定距離を走行すると通常の運賃と同額になりますが、初乗り運賃の高さから敬遠されがちな短距離利用の促進を狙っています。
個人タクシーでは消費税法に基づく事業者免税点制度が適用されることから(売り上げが規定値以下のため)消費税の納税義務を免除されており、その分、法人タクシーよりも運賃が安くなっている地域もあります。

■基本運賃
距離制、時間制、定額制、貸切制に大別されます。距離制には乗車してから一定距離までは定額の「初乗運賃」、一定距離を走行するごとに、一定額の運賃が加算される「加算運賃」、一定速度(時速10km)以下で走行していたり停止していたりする間は走行距離の代わりに経過時間を一定基準の計算法により距離に換算して運賃が加算される「時間距離併用制運賃」などがあります。

■割増・割引運賃
22時(一部大都市圏では23時)から翌5時まで加算される「深夜割増運賃」、北海道や東北、北陸信越地方などにある「冬季割増運賃」、一定運賃以上の利用した場合に一定額が割り引かれる「遠距離割引」などがあります。

■車種による運賃の違い
以上の運賃体系のほか、タクシーの車両は車種によりクラス分けがされており、クラスによって運賃が異なります。初乗り運賃だけでなく、運賃が加算される走行距離なども異なります。これらの分類は必ずしも全国共通のものというわけではなく、特に大型車と特定大型車の区別がない地域や、これらと中型車を同一とする地域は多いようです。分類方法が道路交通法と異なる事に注意しましょう。東京23区武三地区など一部では車種別運賃が廃止されています。

■支払方法
現金、チケット(タクシーチケット)、クレジットカード、デビットカード、会員カード、電子マネーなどで支払い可能です。タクシーチケットはタクシー会社または無線グループ、お得意先顧客、クレジットカード会社が発行するもので、厳密にいえばチケットは金額欄を乗客が下車時に記入するもの(着服および不正防止のため原則として乗務員は一切記入できない)ですが、広義的には金額があらかじめ設定されたクーポン券や、地方自治体が発行する金額が決められた福祉チケットも含まれます。有効期限があるものや、使用金額上限が設定されているものもあります。金額が書かれているものの場合、運賃が表示金額以内ならお釣りが発生するが、福祉チケットはお釣りが出ません。また、上限が設定されているものについては上限金額を超えた分については現金ならびに他のチケットで別途徴収する必要があります。