■介護・福祉タクシー
タクシーの利点の一つが「旅客をドアtoドアで輸送できる」という点です。昨今この利点を活かして、身体障害者や高齢者など、移動に大きな制約を伴う人々を対象にするタクシー事業者が増加しました。中には、運転手にホームヘルパー(2級以上のヘルパーは乗降介護が出来る)、救命講習などの公的資格を取得させている事業者もあります。車椅子を積載できるタクシーには8ナンバーの特種用途自動車の登録となっているものもあります。
本業がタクシーではない介護事業者(特に訪問介護・居宅介護事業者)が、介護サービスの利用者を病院などへ移送することを目的に、一般乗用旅客自動車運送事業(患者等輸送限定)という種別の許可を受けることも多くなってきています(「介護タクシー」)。このうち、介護保険や支援費制度を適用しない場合をケア輸送サービス、適用する場合(通院等乗降介助)を介護輸送サービスといい、運賃の収受方法に差があります。
道路運送法第80条を拡大解釈し、普通二種または大型二種運転免許を持たずとも陸運局の認可を受ければ旅客を有償運送できる、いわゆる「80条許可車両」(詳細は廃止代替バス#80条バス参照)がありますが、タクシー業界から「完全な白タクではないか」との強い異議が国土交通省に寄せられ、厚生労働省との折衝で現時点ではなんとか折り合いがつけられている状態です。

■地域防犯・防災の役割を担うタクシー
タクシーには「24時間365日、地域内のあらゆる場所を走行し、無線により連絡手段を確保している」という特性があります。この特性を活かして、非常時には警察無線とも連絡を取り合う体制を築いている地域もあります(犯人が犯行後タクシーを使用して逃走した疑いがある場合は暗号による一斉手配が無線で流れる)。最近ではコンビニ等と提携してその敷地の駐車場に止めて旅客、無線待ちをしつつコンビニ等の防犯も兼ねている地域もあります。

■運転代行業
タクシー事業者が運転代行業を兼業する例は古くから地方で数多く存在しますが、タクシー事業の多角化に加えて、2004年(平成16年)の法改正によりタクシー同様普通二種または大型二種運転免許を取得した者でなければ代行運転に従事できなくなりました(法律自体は2002年に施行されたが、二種免許義務化は2年間の猶予期間が設けられていた)ため、運転代行業に参入するタクシー事業者がさらに急増しています。

■荷物の運搬
人ではなく、コンピュータなどの保守用部品、データメディアなど、近距離の小物の輸送を引き受けているタクシー事業者もあります(バイク便、あるいは赤帽などと似た使い方であるが、タクシーは旅客運送事業であり、貨物運送事業を行うことは道路運送法上違法である)。

以上のほかにも、日用品の買い物代行や、子供の幼稚園や小学校への送迎など、様々な種類のユニークな事業があり、最近では同じタクシー事業といえども地域や事業者により、多角化の方向を示しているといえます。